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氷川先生はオタク彼氏がほしい。
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1時間目【モーニングコール】

(ふぅ……いったん状況を確認しておこうか)

(時間は、平日の朝の6時。場所は、俺の家の自室。俺はベッドの上でスマホを片手に、氷川先生からのモーニングコールを待ってるんだけど……なんか緊張しちゃって、約束の時間よりも早く起きちゃったんだよなぁ)

(まあ、それでもそろそろ時間なんだけど──って、早っ! 時間ぴったりに氷川先生から電話がかかってきたぞ! は、早く出ないと!)

「あ、あの……もしもし。霧島ですけど……」

「あっ、もしもし。霧島くん? 氷川です、おはよう」

「はい、おはようございます。それにしても、時間ぴったりに電話をかけてきたってことは……氷川先生、もしかしてずっと前に起きてたんですか?」

「う、うん。実はそうかな。霧島くんにモーニングコールをするんだって思うと、緊張しちゃって……」

「あ、わかります。やっぱりそうなりますよね。意識しちゃうと、ちょっと早く起きちゃうっていうか──」

「緊張しちゃって一睡もできなかったかな」

「一睡も!? ずっと前に起きてるっていうか、ずっと起きてたんですか!?」

「し、仕方ないでしょ。だ、だって、霧島くんの声が朝から聞けると思うと、その、楽しみだったし……それに、寝ちゃって約束を守れなかったら最悪だし。だったら、ずっと起きてればいいかなって」

「そ、その気持ちは嬉しいですけど……でも、氷川先生が寝てないなら、なんか違うような……」

「ふわぁぁ……なんか、ずっと起きてたから眠たくなってきちゃった。……じゃあ、霧島くんおやすみ」

「ちょ、ちょっと待ってください! 氷川先生、今日お仕事ですよね! 寝たら絶対に駄目ですよね!」

「えへへ、なんか夜なのに霧島くんの声が聞こえる。今日はいい夢が見られそう……」

「駄目だ、もう既に寝ぼけてる! ひ、氷川先生! しっかりしてください! 先生はこれから学校に行かなきゃ──」

「(ZZZZ)」

「氷川センセぇぇぇぇぇ!」

2時間目【休み時間】

(ふぅ……あの後、なんとか、氷川先生起こして学校には間に合って良かった。氷川先生は前で授業をしているけど、もう眠そうじゃないし。取り敢えずは一安心。のはずなんだけど……)

「……(ゴゴゴ!)」

「──と、そろそろ時間ですね。では、今日の授業はここまでです。各自、次の授業までに宿題をやっておいてください。それと──霧島くん。あなたにはこの後お話があります。一緒についてきてください(ゴゴゴ!)」

「は、はい、わかりました」

(……え? 氷川先生からお話? しかも、あんな氷のような視線を向けてきてるし……え、マジでなんだ!? 俺、なんかやらかしたっけ!? 何も悪いことはしてないはずなんだけど! しかも、滅茶苦茶クラスメイトたちから見られてるし! そ、そりゃそうだよな。先生からあんな怖そうな表情で呼び出されるなんて中々ないもんな……。と、取り敢えず氷川先生は廊下で待ってるし、先生のところに早く行こう! クラスメイトたちにじろじろと見られるのも気まずいし……)

「あ、あの、氷川先生。す、すみませんお待たせしました。……で、あの、お話ってなんですか?」

「あ、いや……その、実はお話については特に何にもないかな」

「え?」

「え、えーっとね……最近、あんまり会えてなかったから。だから、こうしてちょっと呼び出して二人きりになりたかっただけで……ご、ごめんね? 駄目だったかな?」

「い、いえ、そんなことは! 俺は、その……素直に嬉しいです」

「そ、そっか。そ、それなら良かった。えへへ……」

「…………」

「…………」

(うわっ、会いたかったからって……可愛過ぎかよっ。まあ、氷川先生は自分で言ってて恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にしてるけど。……でも、あれ? それなら、氷川先生なんであんな怖そうな表情をしてたんだ?)

「そ、それでね、霧島くん」

「は、はい。……なんでしょうか、氷川先生?」

「その……良かったらだけど、今日のお昼一緒に食べない? あっ、場所は生徒指導室を予約してあるから大丈夫。だから、その……ど、どう?」

「お昼、ですか? そ、それはもちろん大丈夫ですけど……」

「ほんと!? ほんとのほんと? そ、それなら約束ね! 絶対だからね! 絶対にお昼休みには生徒指導室に来てね!」

「は、はい、わかりました。けど──」

「あと、それと──」

「──それといつもみたいに、霧島くんはお昼ご飯を用意して来なくていいから」

「い、言いたいことはそれだけ。じゃ、じゃあ、お昼休みにね」

「は、はい。わかりました、氷川先生っ」

(……それにしても、お昼休みにお昼ご飯を用意するなってどういうことだ? まあ、いつも昼休みに購買部で買ってるから別にいいんだけどさ。それに、なんで氷川先生が怖い表情をしていたのかもわからなかったし……いったい、なんだったんだろう?)

(ふぅ……き、霧島くんをちゃんと誘えて良かった。これも授業中に気合いを入れて、ずっと考えてたおかげかな。昨日眠れなかったから、どうせならと思ってお弁当をつくってきたんだけど……ふふっ、霧島くん喜んでくれるといいな)

3時間目【昼休み】

(ふぅ、ようやく昼休みになった。これから、霧島くんと一緒にお昼だけど……お弁当喜んでくれるかな。……と、取り敢えず、一回だけお弁当を確認しておこうかな。朝に詰めたきり、確認なんてしてなかったし)

(…………あれ? ちょっと待って。わ、私がつくったお弁当ってこんなのだったっけ? こんなに卵焼きが茶色になってたっけ? こんなに不揃いだったっけ? も、もともと、料理は上手な方じゃないけど、何回も作り直すぐらい不器用なんだけど……で、でも、その中でも良くできたものを詰めてきたはずなのに)
(……あっ、も、もしかして、朝は寝ぼけてたから間違えて変なの入れちゃった!! え、え!? ど、どうしようっ!? こんなの酷いもの、霧島くんに食べさせられない──)

「すみません、氷川先生。失礼します、入ります──」

(そうしているうちに霧島くんが来ちゃった! と、取り敢えずこのお弁当は隠しておかないと!)

「……あれ、どうしたんですか、氷川先生? なんか後ろに隠したような──」

「か、隠してなんかないから! ほ、本当よ! ほんとのほんとだから! だから、気にしないで!」

「そ、そうですか。まあ、氷川先生がそこまで言うなら、気にしませんけど……」

「と、ところで、霧島くんは何を持ってるの? なんかタッパーみたいに見えるけど……」

「あっ、これですか? 実はさっき家庭科の授業があったんですけど、そこで卵焼きをつくって。氷川先生に食べて欲しくて、持ってきたんです」

「へぇー、そうなんだ。見せて見せて、霧島くんの手作りを食べられるなんて嬉しいなぁ……って」

(え、上手っ! なんか霧島くんの卵焼き、滅茶苦茶上手くない!?  焦げてなんかないし、形も綺麗に整ってるし! その、なんというか──私のよりも、凄く美味しそう! え、霧島くんもしかして料理上手なの!?)

「どうですか、氷川先生? その、自分でも上手くできたかなって思ってるんですけど」

「そ、そうだね。うん……本当に上手にできてると思うよ」

「え、本当ですか? わっ、すげー嬉しいっす。料理上手の氷川先生からそんなこと言われるなんて──って、え、氷川先生どうしたんですか!?  急に暗黒面に落ちたような表情なんかをして!」

「い、いや、なんでもないよ。大丈夫、大丈夫だから。気にしないで。そういえば、そんなことにもなってたっけ……」

「……? あっ、そういえばなんですけど。さっき、氷川先生、俺に『お昼ご飯は買わなくていい』みたいなこと言ってたじゃないですか?」

「そ、そうだね。そんなこともあったかもね」

「あれって、もしかして……その、俺のためにお昼ご飯をつくってきてくれたとか。そ、そういうことだったりします?」

「え、全然違うよ?」

「全然違うんですか!? じゃあ、なんであんなこと言ったんですか!?」

「気分かな」

「気分で、俺に昼ご飯を買うなって言ったんですか!? え、それなら、俺、どうすればいいんですか!?」

「そ、それは……(で、でも、こんな酷いもの絶対に食べさせられないし……)」

「え、なんですか? 今、氷川先生何か言いました?」

「な、なんでもない! あっ、そうだ! 私、カロリーメイツ持ってるからそれ食べよ! ね、それでいいでしょ?」

「は、はい、わかりました……」

(ううっ……まさか、霧島くんがこんなに料理上手だったなんて。せめて霧島くんに勝ってからじゃないと、料理も出せないし。もっと頑張らないと……っ!)

(氷川先生、なんか唸ってるみたいだけど……いったいどうしたんだ? それにしても、今日は氷川先生の手作りが食べられると思ったんだけど……はぁ、またどっかで食べたいな)

4時間目【放課後】

(さて、学校が終わってから隣町のアニメショップまで来たのはいいんだけど……まさか、新刊のラノベを探してたらこんなに遅くなるなんて。一人暮らしだから今から家に帰ってご飯つくるのも面倒だし、このファミレスで適当にご飯を食べて帰るか……って、あれ?)

「あれ、氷川先生……? こ、こんなところでどうしたんですか?」

「あっ、霧島くん! こんなところで会うなんて奇遇だね。私はちょっとゲームを買いに来て、その帰りなんだけど……霧島くんこそこんなところでどうしたの?」

「俺はラノベを買いに来てたんですけど、ちょっとご飯をこのファミレスで食べようとしてて。あっ、もしかして氷川先生もですか?」

「う、うん、実はそうなの。これから、家に帰ってご飯をつくるのは面倒だなって思っちゃって……」

「そうなんですね。あっ、それなら良かったら一緒に食べていきますか? 隣町なら知ってる人に見られる心配も低いでしょうし……どうでしょうか?」

「う、うん、いいと思うっ。そうしよっ。じゃあ、私、並んでるみたいだから名前を書いてくるね」

「は、はい。すみません、ありがとうございます」

「ううん、気にしなくていいから。じゃ、ちょっと行ってくるね」

(やばっ、氷川先生に行ってきてもらっちゃった。ここは、彼氏として、年下として俺が行くべきだったかもしれないのに……って、あれ? 氷川先生が戻ってきたけど、なんか機嫌が良くないか?)

「……あの、氷川先生? どうしんたんですか? なんかあったんですか?」

「? ううん、何もなかったけど? どうして?」

「いや、氷川先生が機嫌良さそうに見えたんで。なにかあったのかなって」

「あっ、それのこと? あんまり大したことはないんだけどね、それはね──」

『では、次は105番の霧島さーん! 霧島さんはいらっしゃいますかー?』

「え、氷川先生。も、もしかして、名前欄に書いたのって俺の名前──」

「もぅ、霧島くん。氷川、じゃないでしょ?」

「──今の私たちは『霧島』なんだから。ね、霧島くん? じゃ、店員さんが呼んでるから行こっか」

(ふふっ、なんかこういうのって新婚さんみたいで楽しいかも。ふふっ、霧島真白……なんちゃって)

5時間目【部屋デート?】

(あの後、氷川先生に『明日は休日だから一緒に部屋でゲームをしない?』と言われたから、氷川先生の部屋に行って、それから一緒にゲームを始めたまでは良かったんだけど……)

「ほら、霧島くん。ちゃんと問題を解いて。じゃないと帰さないよ?」

(なんで、いつの間にか勉強することになってんだよ! しかも、氷川先生、教師モードになってるし! せっかく、氷川先生と一緒に部屋デートできると思ったのに……)

(それに、勉強する教科が一番苦手かもしれない数学なんて……はぁ、去年、勉強をサボるべきじゃなかったかもな。さっぱりわかんねぇ)

「あれ、霧島くん? さっきから手が止まってるけど……もしかして、数学苦手?」

「は、はい、実はそうなんです。そもそも勉強は全体的に苦手なんですけど……数学はその中でも特に苦手で。氷川先生は高校生の頃、どうだったんですか?」

「私も苦手な方だったかな。特に、私は高校数学の中でも数Cが苦手で。私は文系だったんだけど、高校では数学は全部やらされたから苦労したなぁ……」

「その……数Cってなんですか?」

「えっ?」

「えっ?」

「えっ? ……あっ、そういえば、聞いたことありますそれ! 確か昔の旧課程では数Cっていう科目があったんですよね! でも、今の学習指導要領では統廃合が起こって、その科目はなくなったとか──って、氷川先生どうしたんですか!? 急に死にそうな顔をして!」

「き、気にしないで。う、うん、そうだよね。今の子って数Cは習わないよね。教師だけど、国語しか担当してなかったからちょっと忘れてたかも。……でも、そっか、昔か。私が高校生だったのってもう昔なんだよね……(遠い目)」

「そ、それは言葉の綾というか! ほ、本気で思ってるわけじゃなくて!」

「ううん、いいの。君は悪くないかな。もうあの頃が昔なのは事実だから。私が『物語シリーズ』にハマっていたあの頃はもう昔なのは事実だから」

「『物語シリーズ』……? あっ、それってカラオケでよく上位に入ってる『曲』のアニメの原作でしたっけ? 確か、10 年ぐらい前の昔のアニメで──って、氷川先生どうしたんですか!? また死にそうな顔をしてますけど」

「い、いや、なんでもないかな……そ、そうだよね。今の子って、そういう認識でもおかしくないんだよね」

「なんか、すみません。有名なアニメっていうのは知ってるんですけど……その、なかなか見る機会に恵まれなくて」

「ううん、それは仕方ないかな。……よし、決めました。霧島くん、今の勉強が終わったら一緒にアニメ視聴マラソンやろっか。……も、もちろん、君が嫌じゃなければなかったらだけど」

「嫌なわけがないじゃないですか。その……氷川先生が好きなものを知るの、単純に楽しいですし。じゃ、俺、数学の課題すぐに片付けますね!」

「うん! じゃ、私はその間に色々と準備してるね!」

(ふふっ、霧島くんと好きなアニメが楽しめるなんて。霧島くんみたいな一緒に趣味を楽しんでくれる子と付き合えて、本当に良かったな)

6時間目【悪戯】

「ふぅ、アニメ見終わったね……って、あれ? もしかして、霧島くん寝てる? むぅ、霧島くん? 起きないと、悪戯するよ?」

「…………」

「頰をぷにぷにー。鼻を摘んだりー。ふふっ、本当に起きない。ちょっと疲れてたかな。ごめんね、霧島くん。こんな朝まで、お姉さんの我儘に付き合ってもらって」

「…………」

「……あれ、ちょっと待って。起きてないってことは、その……他にも色々と悪戯し放題だったり? その、普段はできないような……破廉恥なこと、とか」

「…………」

「し、しないけどね! そんなことしませんけどね! だ、だって、私は教師ですから! そ、そんな生徒の寝込みを襲うなんて…………襲う、なんて」

「…………」

「…………だ、誰もいないよね? だ、誰も見てないよね?」

「…………」

「そ、それじゃあ、ちょっとだけ、その……本当は、教師だから。生徒にこんなことするのは絶対ダメだけど。でも、今は休日で……教師はお休みだから」

「…………」

「だ、だから、額にキスするぐらいは……許されるよね?」

「…………」

「それじゃ、霧島くんおやすみ。ふふっ、いい夢見てね?」

(実は、途中から起きてたんだけど……俺はいつ目を覚めたふりをすればいいんだろう?)


シリーズ一覧

氷川先生はオタク彼氏がほしい。1時間目

氷川先生はオタク彼氏がほしい。1時間目

オタクでつながる男子高校生×先生の禁断甘々ラブコメ!

「可愛くて優しいオタク彼女がほしい」
 儚い願望を抱くオタク高校生の俺、霧島拓也は春休み――理想の彼女に、出会った。

「そ、その、もう少し君と話せたらなって思ってて……」

 オタク美少女、氷川真白さんに! 
 趣味も相性抜群な俺たちはすぐに仲良くなって、氷川さんの手料理をご馳走になったり、オタクデートを重ね、晴れて恋人になったんだけど……新学期。

「私が皆さんの担任となりました……えっ?」
「……はっ?」

 彼女の正体は、学校の鬼教師“雪姫”こと氷川先生だった!? 
 ちょ、え……生徒と教師って絶対アウトなやつじゃねぇか! 

 これは俺と氷川先生の、禁じられた二人の、秘密の恋物語だ。

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